会社紹介の例文はいくらでもありますが、社名を差し替えただけでは残念ながら自社らしさが伝えられません。

例文をベースにする場合は、「理由」と「具体性」を追加することをおすすめします。
それだけで、イメージが一気に変わるはずです。

たとえるなら、レトルトカレーに野菜やスパイスを足して自分好みに仕上げるようなもの。具体例で解説していきますので是非ご覧ください。

よくある会社紹介の例文①地域密着系

よくある会社紹介文

地域に根差した工務店として、マイホームの夢を応援します。

一戸建て
工務店、クリニックなどは、地域密着をアピールしているところも多いです。
もちろんそれが悪いわけではありません。
その地域にあることの強みや、その地域で活動する理由などをプラスすると、その企業らしさが伝えられます。

アレンジ例

先祖代々この地に住み、気候や地形に最適な家づくりを行っています。
この地域の寒さや湿度は、建物にとって厳しい環境です。
残念ながら、気候の影響で劣化が早い家も多く見てきました。
せっかく夢をつめこんだマイホームが、どんどん痛んでいく……。
オーナー様の気持ちを考えると胸が痛みます。
だから私たちは、この地の特性に合った「長持ちする家」をコンセプトに、家族が末永く幸せに安全に暮らせる家づくりを行っています。

よくある会社紹介の例文②ひとりひとりに合わせて系

よくある会社紹介の例文②ひとりひとりに合わせて系

よくある会社紹介文

一社一社に合わせたITソリューションを提供します。

男性二人の後ろ姿

「ひとりひとりに合わせる」も、例文でよく登場する表現です。
これだけでは他社とかぶるので、理由や具体性を付け加えていきます。
対応できる層が限定されているのなら、「どんな層の人(企業)に役立つか」を加えるのもひとつの方法です。

アレンジ例

社員数○名前後の企業に最適なITソリューションを提供します。
成長中の中小企業には、変化に柔軟に対応できるシステムが必要だと当社は考えます。
せっかく導入したシステムが現状と合わなくなり、システムに合わせて業務フローを変えて効率が悪くなるなど、本末転倒になっているケースも少なくありません。
だから私たち現状だけでなく事業計画など今後のことももうかがい、会社と一緒に進化できるシステムを構築することをお約束します。


中小企業の会社紹介文や代表あいさつは、個性を大切に

取引をする銀行を決めるとき、銀行の成り立ちや頭取のあいさつ文を参考にすることはほとんどないと思います。
金利や審査基準などの商品がいちばん重要ですし、頭取と会うこともまずありません。

でも中小企業の場合、代表者が顧客と接することも多いはず。

どんな人が代表を務めいるどんな会社か、そしてなにより、自社の取引先としてふさわしいかが気になります。

それなのにホームページの内容が、「ひとりひとりに合わせて~」「地域に根差した~」「お客様第一の~」など、ありきたりな文章だったら、興味を持ってもらうチャンスを逃してしまうかもしれません。

逆に会社のコンセプトや代表者の熱意が伝わる内容だったら、「会ってみたい」と思われやすくなります。

私は個人経営のスタジオでダンスを習っているのですが、見学に行こうと思った理由のひとつは、主宰者がホームページ上で「ダンス馬鹿」を自称していたからです。
習うなら仕事として淡々とやっている人より熱意ある人がいいと思っていたので、「馬鹿を公言するほどダンス好きの人なら間違いない」と感じました。
実際にダンス愛にあふれる先生で、すぐに入会。教室が閉鎖されるか私が転居するまで通い続けるつもりです。

馬鹿という言葉が適切かどうかはさておき、経営者の個性を前面に出せるのが中小企業の強みではないでしょうか。