企業ホームぺージは「どう書くか」というテクニックに目が行きがちですが、実は「誰に向けて書くか」を最初に決めること(ターゲット設定)が非常に重要です。

動画版もあります。

以前開催したセミナーの一部を記事化したものです。

ターゲット設定が重要な理由

対面で会話をするときは、相手によって話す内容や使う言葉を無意識のうちに調整しています。

たとえば仕事の取引先と配偶者と話すときでは、会話の内容はもちろん、表情や振る舞いも違うはずです。

しかし文章の場合は一方通行のため、「誰に」伝えているかを常に意識していないと、壁に向かって話しているような状況に……。

支離滅裂になったり、あふれるがままに書き連ねていって何が言いたいのか自分でわからなくなってしまったりします。

だからまず、誰に向けて伝えるのかを明確にするのが大切です。

ターゲット設定のよくある誤解

30代女性、40代会社員など、属性でくくるターゲット設定をよく見かけますが、あまりお勧めしません。

価値観やライフスタイルが多様化しているためです。

たとえば私は45歳女性ですが、一昔前なら専業主婦で中高生の子供が2人いて住宅ローンと教育費のために節約している、などが一般的だったと思います。

しかし今は、専業主婦、共働き(正社員、パート、派遣、フリーランスetc)、独身、子供あり・なし、子供の年齢も乳幼児から成人までとバラバラです。

属性だけで切り分けるのはあまり意味がありませんが、区切ってはいけないわけではありません。

たとえば化粧品やファッションであれば20代と50代ではニーズがまったく違いますし、店舗がある場合はターゲット層の生活エリアを限定したほうが効果的です。

たまに「ターゲットは絞れば絞るほど良い」という主張がありますが、状況によりけりです。

たとえば整体院は都市部には競合が多いので膝、腰、肩など部位に特化したほうが集客に有利ですが、競合が少ない地方では「何でもできます」とアピールしたほうが良いと言われています。

マニュアルやハウツーにとらわれず、自分の事業やお客様の場合はどうなのかを考えることが重要です。

企業ホームページのターゲット設定の方法

企業ホームページのターゲット設定をする場合は、実在のお客様を分析する方法がお勧めです。

「こんなお客様ばかりだったらいいな」と思う、理想的なお客様がひとりはいらっしゃるのではないでしょうか。

できればその方に直接インタビューをして、次のことを聞いてみてください。

  • 購入前は、どんな課題や悩みを持っていた?
  • 自分を選んでくれた理由は?
  • 購入してどのような変化があった?

私も、ホームページ原稿作成を依頼してくださったお客様に実際に聞いてみました。

Q
購入前は、どんな課題や悩みを持っていた?
A

文章の書き方を書籍などで学んでも、自分で書くと伝えたいことがまとまらない。

Q
購入前は、どんな課題や悩みを持っていた?自分を選んでくれた理由は?
A

実際に話して安心できそう&ホームページやブログの文章がわかりやすくて、自分のホームページもこんなふうにしてほしいと思って依頼を決めた。

Q
購入してどのような変化があった?
A

以前から集客はできていたけれどさらに増えた。余計な問い合わせが減った。

この分析結果から、このブログやホームページのターゲットは次のように設定しています。

  • 自分で文章の書き方を学んだけれど、上手くできずに悩んでいる人
  • ウェブから集客や採用をしたい人
  • ウェブで商品の価値を伝えたい人

ぜひ実在のお客様に直接お話を聞いて、どんな課題や希望を持っているのかを把握してみてください。
その回答となる情報をホームページに掲載しておくことが、集客や採用につながります。