企業のホームページにおいて代表挨拶文はとても重要ですが、書こうとするとけっこうむずかしいものです。

私はコピーライターで代表挨拶文の作成代行をしていますが、スラスラと書けるわけではありません。

でも何件も書くうちに、必要な要素が見えてきたので共有したいと思います。

要素①社会貢献性

社会貢献性とは、具体的には以下の2つです。

  • 社会のどんな課題を解決したいのか(マイナスをゼロにする)
  • どんなより良い社会をつくりたいのか(ゼロをプラスにする、プラスをさらにプラスにする)
make things better(物事を良い方向にもっていく)と書かれた札。

当然、企業は利益を出さなければなりません。

でも単に「とにかく儲けたい」と考える企業と「社会を良くする対価を受け取りたい」と考える企業では、後者のほうが応援されます。

BtoBでも、結局は人と人とのやりとりです。

意外とこうした情緒的な部分が取引にプラスに作用することもあります。

要素②仕事への姿勢

社会を変えたいと理想を語っても、それを実現する力がなければ絵に描いた餅だと思われてしまいます。

それを防ぐには、自社が「理想を実現するポテンシャルを持っている」と伝えることが大切。以下のような要素を盛り込むと効果的です。

  • 実績
  • 設備や取り組みの紹介
  • 仕事への情熱 など
工事現場の人、商談している人、パソコンで作業をする人

頭や口だけでなく、すでに手を動かしている。

これを伝えることで、”口だけ番長”でないことをアピールできます。

要素③創業のきっかけ

無理して社会性や公共性を意識せず、個人的な理由で大丈夫です。

創業とは少し違いますが、本田技研の本田宗一郎がバイクを開発したのは、自転車で遠くまで買い物に行く妻を思い出し、旧陸軍が所有していた無線機の発電用エンジンを自転車の補助動力にすることを発案したのがきっかけでした。

ホンダの赤いバイク

ホンダのバイク誕生のきっかけが奥さんだったなんて!

「二輪車で社会を豊かにしたい」のようなきっかけよりも、人間味があって面白いと思いました。

こんなふうに、個人的な創業のきっかけのほうがストーリー性があって好印象なこともあります。

要素④社名や商品名の由来

必須の要素ではありませんが、もしユニークな由来があれば載せることをおすすめします。

ビジョンや情熱をより感じてもらう、印象に残りやすくなるなどの効果が期待できます。

NAME(名前)と書かれたブロック

【事例紹介】実在の代表挨拶文

この要素を盛り込んで私が制作した、実際の代表挨拶文を紹介します。
Kinariという名前の、企業向け宅配弁当サービスです。

社会の課題をおいしく解決したい

「おいしい」で終わらないお弁当をつくっています

Kinariのお弁当は、全国各地にある就労支援事業所でつくられています。障がいを持つ方々が土づくりから始めて野菜を育て、丁寧に調理をしています。
要素②仕事への姿勢

Kinariの由来は、漂白や染色がされていない天然繊維を意味する「生成り」です。
障がいがあるなし関わらず、誰もがありのままがいい。
食材も、余計な手を加えず自然のままがいい。
そんな想いが込められています。
要素④社名や商品の由来

お弁当の収益は全額、障がい者スタッフの工賃として支払っておりますが、慈善事業ではありません。
誰も損をせず、誰もが幸せになる仕組みを築き上げている途中です。

訪問看護で判明した社会の課題

私は、“訪問看護事業”の代表も務め、全国で『あいず訪問看護ステーション』という在宅サービスを展開・提供しております。大好きな祖父母が施設の大部屋に寝かせられる姿を見て、在宅医療の必要性を感じたのがきっかけです。
利用者さんのご自宅を訪問する中で、精神疾患のある方が社会から取り残されている現実が見えてきました。
行き場がなく入退院を繰り返したり、働く場がなく生活保護を受けると、ずっと大切にしてきた資産を手放さなければならないなど……。
こうした問題を解決するために障がい者向け就労継続支援B型事業所エンポートを立ち上げました。
要素③創業のきっかけ

その一環として、農作業とお弁当づくりを行っています。
下請けではなく自社の事業のため、工賃は全国平均の4倍以上です。(2021年5月末日時点)
もちろん、仕事に慣れてくれば正社員雇用の道も用意してあります。
②仕事への姿勢

小さなお弁当に込められた壮大なプラン

就労支援事業所では生活保護を受けている方も働いておりますが、工賃の分は生活保護費から削減されます。
つまり高い工賃を得られれば、税金の負担が減るのです。
少子高齢社会では、若い世代への負担が大きな問題です。
このまま手をこまねいているわけにはいきません。
だから当社では障がい者の就労支援を行い、税金が本当に必要なところに使われる社会に変えたいと考えています。
障がい者はやりがいを持って働いて自立に近づき、
お弁当を食べる人はおいしさを楽しみながら健康になり、
国は税金を有効に使い、
国民が安全で豊かな生活を享受できる。
誰も犠牲にならず、みんなが幸せになる。
こんな壮大なプランが、kinariのお弁当には込められています。
要素①社会貢献性

口にはこぶとき、こんなことをふと思い出してもらえたら幸いです。

引用https://www.kinari.fun/about.php

ざっくりとまとめると、「誰のために、なぜ、どうやってこの仕事をしているのか」に若干のストーリー性を加えたものが代表挨拶文と言えます。

代表挨拶文のお客様の声・制作事例

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