「売れるキャッチコピー」の効果が感じられない原因は、次の2つが8割以上を占めると思います。

  1. 実は売れるキャッチコピーになっていない
  2. そもそもキャッチコピーが見られていない

ひとつずつ見ていきます。

1実は売れるキャッチコピーになっていない

テンプレートの意味や意義を理解しないまま使用すると、訴求力のないキャッチコピーができる場合があります。

たとえば、簡単に結果が出ることを強調する、「○○するだけで××できる」というテンプレートがあるのですが、どんな言葉を当てはめてもいいわけではありません。

良い例

飲むだけで痩せられる

聞き流すだけで英語が身につく

テンプレートに当てはめるだけで売れるキャッチコピーがつくれる

ここで重要なのは「意外性」です。一般的に大変だと思われていることが実は容易にできるという驚きがないと、意味がありません。

悪い例

1週間の断食だけで痩せられる

毎日3時間勉強するだけで英語が身につく

50万円の講座で勉強するだけで売れるキャッチコピーがつくれる

「でしょうね」で終わりです。

あえて極端な例を挙げましたが、要はテンプレートの本質を理解せずに言葉を当てはめるだけでは、売れるキャッチコピーにはならない、ということです。

2そもそもキャッチコピーが見られていない

感覚的に、こちらの原因のほうが多いと感じます。

キャッチコピー自体が良くても、ターゲット層に届いていない、もしくはターゲット層に届ける量が足りなければ効果は出ません。

たとえば超一流のコピーライターとデザイナーが手を組んで学習塾のチラシをつくったとします。

賞を獲れそうな勢いの、素晴らしい広告です。

しかし!

もしこれを、高齢者ばかりが住んでいるマンションにポスティングしたら……?

効果はほぼゼロでしょう。

これも極端な例ですが、届ける相手が適切ではない、もしくは届ける量が圧倒的に足りなければ効果は見込めません。でもその原因をキャッチコピーや文章に原因を求めてしまうケースはよくあります。

「ホームページから申し込みがないからキャッチコピーや文章を見直したい」という相談を何度か受けたことがあるのですが、1日のアクセス数や読者の年齢層などを把握している方はいませんでした。

無意識のうちに、「自分が書いたものは読んでもらえる」という前提があるのだと思います。

確かに苦労して考えつくり上げたものですから、そう思うのも当然です。

でも残念ながら、人は他人が書いたものをそんなに読みません。

私は発行部数約4000部のフリーペーパーのライターをしていましたが、誌面で声などを募集しても反応がほぼゼロなんてことはよくありました。

残業しまくってつくったんだからリアクションして~(涙)

プロが1ヶ月かけて企画・取材・執筆・編集を行って作成し、購読を希望し自らの意思で住所を登録している人の自宅ポストにまで情報を届けてこの程度です。

そりゃ、インターネット上に転がっている見ず知らずの人のホームページのキャッチコピーなんて見やしません。

これが厳しい現実です。

届けたい人に届いているかをまずは確認

売れない原因をキャッチコピーに求める前に、まずは見てほしい人にキャッチコピーを見てもらえているかを確認することをおすすめします。

もしホームページやブログなら、アクセス状況を把握する。

チラシをポスティングしているなら、適切な場所に投函されているかを確認する。

そのほかにもできることはたくさんあります。

たとえばある鍼灸師さんは薬局にリーフレットを置かせてもらい、そこからお客様が来てくれたそうです。

薬局に行くということは、何かしら心身の不調を感じているということ。そこに鍼灸院のリーフレットを置くのは非常に賢いと思いました。

ほかにも事例があります。

私が感心したのは、下校路で学習塾や習い事のチラシを小学生に配る手法です。
初めて見たとき「すごい! ほぼ100%見込み客! ここまで精密なターゲティング、どんなネット広告にもできないんじゃない?」と、感動すら覚えました。

実際に私の息子は、そのチラシをきっかけに習い事を始めています。


確かにキャッチコピーを変えただけで売れるようになった事例はたくさんあります。でもそれは、「ターゲット層に情報は届いていたけどメッセージが適切でなかった」という状況だったからです。
誰にも認知されていない状態でキャッチコピーをいくら磨いても、効果は期待できません。

キャッチコピーなんて誰も見てくれない。

この前提で、まずは情報が届けたい人に届いているかを確認することをおすすめします。



動画版もあります。耳から聞いたほうが理解できるタイプの方はこちらもご覧ください。