ここ最近「clsude3がやばい。インタビューライターの仕事もなくなるのでは」という趣旨のSNS投稿を複数見ました。
2022年の終わり頃から始まった、ChatGPTなど文章生成AIの衝撃は「既存情報の切り貼りをするだけのコタツ記事ライターはもう不要。これからはインタビュー記事が書けるライターが生き残る」という方向でなんとなく終息した感があったので、インタビュー記事も書けるというclaude3のデビューは一大事です。
特に採用コンテンツの社員インタビューなど、ある程度フォーマットが決まっているものならすでに実用の域だと噂を聞いたので、採用コンテンツを10年近く作成している私はさっそく試してみることにしました。
詳細なレポートの前に、まずは使ってみた感想と結論をお伝えします。
※2024年3月時点での情報と所感です
結論。
アウトラインや土台作りには充分なレベルだと思いました。
個人的にお勧めしたい使い方は、「少量の90点コンテンツより、大量の60点のコンテンツがほしい」場合です。
採用ページの社員インタビュー記事に使うなら、「人の出入りが激しいし、来年は違う社員のインタビュー記事を載せるから、お金も時間もかけたくない」などのニーズには合うのではと思います。
インタビュー音源の文字起こしをclaude3に読み込ませて少し手直しすれば、そこそこのものはできるはずです。
ただし、新人ライターがいきなりclaude3を使うのは私なら推奨しません。
生成された文章の良し悪しが判断できないままなんとなくAIに頼っていたら、文章力を磨く機会を失います。
(claude3に限らずどの文章生成AIにも同じことが言えますが)
翻訳ソフトばかり使っていたら英語力が伸びないのと同じです。
では、私のような採用コンテンツ作成をやってきたコピーライターの良きパートナーになるかと言えば、今のところは「No寄りの何とも言えない」。
自分の中で型のようなものが出来上がっているので、claude3から提案されたものをベースに手直しをしていくのは二度手間に感じてしまいます。
「デザイナーでない人にとってのCanva(※)のような位置づけ」というのが、現段階での感想です。
※オンラインで無料から使えるグラフィックデザインツール。何万点ものテンプレートもあり、専門知識や専用ソフトがなくてもデザインができる。
ただしこれから進化していくのは間違いないので、注視はしていきたいと思います。
では、本題のレポートをお届けします。
自作自演インタビュー音声をAIに文字起こしさせる
今回はあくまで実験なので、お客様の案件で行うわけにはいきません。
そこで採用ページ作成を想定して、自分で自分を取材しました。
コピーライター2年目だった頃の私が自社サイトの採用ページに掲載する「先輩社員の声」に掲載されることになり、インタビューを受けるというテイです。
文字起こしツールのVrewを立ち上げ、パソコンに向かって15分ほど一人二役で取材を行うというシュールな光景。
Vrewの文字起こしの精度は、感覚的に70~80%くらい。そこに最低限の修正を加えたのがこちらです。
(長いので折りたたみました)
- インタビュー文字起こし(クリック/タップすると全文が表示されます)
claude3にインタビュー文字起こしを投入!
さっそくclaude3に読み込ませたいのですが、心配性の私は念のため確認してみました。
インタビュー記事は書けますか?
インタビューの文字起こしをこちらにアップします
その答えがこちら。
はい、文字起こしされたインタビューデータをアップロードしていただければ、それを基に記事を書くことができます。記事のスタイルや長さ、強調したいポイントなどについて、ご要望がありましたらお聞かせください。
簡潔で事実関係を正確に説明する記事からより分析的で解釈を交えた記事まで、様々なスタイルに対応できます。
必要に応じてリサーチを行い、背景情報やコンテキストを追加することも可能です。
インタビューデータをアップロードしていただけましたら、それに基づいてインタビュー記事の下書きを作成し、ご確認いただいてからブラッシュアップしていきます。
どのようなインタビュー記事をご希望かお教えください。
なんとも頼もしい。
さっそく、プロンプトを入力しました。
記事の掲載場所は、歯科関連企業のオフィシャルサイトの採用ページ。
実際に働く社員にインタビューをして、「こんな会社で働いてみたい」と思ってもらうことを目的にしたコンテンツです。
今回の取材対象者は、未経験から制作部に中途入社した33歳の女性コピーライターです。
タイトル、質問+回答の構成で、1200字から2000字くらい。
必要に応じて見出しを追加してください。
2パターン作ってほしいです。
パターン①未経験でも大丈夫なことをメインに伝える。今回の取材対象者が33歳から始めた未経験の方なので、他の未経験者が「自分でもできそう」と思ってもらえるように
パターン②学ぶことが多く、短期間で成長できることを伝える。勉強会や厳しい添削など、大変だけれど成長できることをアピールしたいです。
Claude3の初稿
以下、Claude3が生成した文章を原文ママで紹介します。
パターン①未経験でも大丈夫をメインに伝える記事案
タイトル:33歳で未経験入社、今やコピーライターとして活躍する先輩の素顔
コピーライターとして働くには文章力が必須。でも、経験がなくても大丈夫。今回は33歳で未経験からスタートし、短期間で成長を遂げた先輩にスポットを当ててみました。
「文章は昔から得意でした」
Aさんは大学入試の小論文で全国トップクラスの成績を収めるなど、文章力には自信がありました。しかし、新卒で入社した営業職が合わず、結局33歳で第二の人生を歩むことに。
「コピーライターになろうと思ったきっかけは、文章を書くのが好きだったからです」
しかし、未経験者を採用している会社は少なく、ここしか門戸がありませんでした。入社当初は書いた原稿が真っ赤に直され、地元の強豪チームが全国大会で撃沈するような厳しい現実に直面しました。
「この会社に来てよかった。求めていた成長の環境がここにあった」
しかし、先輩から厳しく指導を受けることで、着実にスキルは磨かれていきます。実際に、取材記事を高く評価された歯科医師からも”思いが伝わった”と感動の言葉を頂戴しています。
「未経験でも個性を伸ばしてくれる」
研修制度はありませんが、Aさんは”書くのが好きな人なら大丈夫”と話します。未経験から入社し、自らの可能性を開花させた先輩の姿から、年齢や経験にとらわれず、新しいことにチャレンジできる環境があることが伺えます。
パターン②学ぶことが多く成長できることをアピール
タイトル:短期間で化けるコピーライター環境 大手町の歯科業界で活躍する先輩に聞く
コピーライターとして働くには、並々ならぬ文章力と創造力が求められます。今回の取材対象者は、33歳で第二の人生を歩み始めた未経験の先輩。入社当初は勢いに押されそうになりましたが、今では歯科業界を支えるコピーライターへと大きく飛躍を遂げました。
「入社して間もなく、ショックを受けました」
営業やコールセンター業務から転身したAさん。クラウドソーシングで鍛えた文章力は、入社後もう一度過酷な試練に晒されることになります。
「真っ赤に直されて、全部やり直しって何回もありました。でも楽しかったですね」
しかし、先輩の書いた原稿を確認することで、自分の課題が見えてくる。過酷な添削にも”成長している手応え”を感じられたそうです。
「自分では気づけない価値観を引き出してくれる」
一方で、Aさんが成長を実感できたのは、取材対象者から”思いが伝わった”と喜ばれた時。単なる文字起こしでなく、相手の言葉に込められた本当の思いを汲み取ることができるよう、日々研鑽を重ねています。
「共に学び合う体制が魅力」
もちろん、過酷な環境を乗り越えられるのは、周りの後押しがあったから。課題図書の勉強会では、デザイナーと共に多角的視点から学ぶ機会も設けられています。
「大変だけど、好きな人が集まるから続けられる」
残業には疲れを感じるものの、同じ思いを抱く仲間に支えられ、みんなで高め合える環境があることに、Aさんは感謝しています。
確かに悪くない。
頼んでもいないのにリード文までつけてくれている。
これまでのAIの「なんとなくまとめる」から「解釈する」に進化したような印象を受けます。
しかし、文字数が明らかに少ない。
1200字から2000字くらいと指定したのに600字程度。
さっそく、修正依頼をしました。
Claude3の修正版1(1200字以上にする)
ありがとうございます。
各記事の文字数が少ないので、最低でも1200字にしてもっと具体的な内容にしてください。
あと質問とそれに対する回答という体裁にしたいので、「入社何年目ですか?」「2年目です」のような体裁にしてください。
1分もかからず、修正案を出してくれました。
原文ママでお送りします。
パターン①未経験でも大丈夫をメインに伝える1200字以上の記事案
タイトル:33歳で未経験入社、今やコピーライターとして活躍する先輩の素顔
Q.今入社何年目ですか?
A.「今2年目です」
Q.どんな仕事を担当していますか?
A.「歯科医院向けのパンフレット、歯科衛生士向けのフリーペーパーや歯科医師向けのセミナー案内など、自社の広告を作っています」
Q.歯科医院向けのパンフレットってどんな内容ですか?
A.「弊社では歯科医院向けの歯ブラシなどの製品があり、その製品のカタログを作成しています。歯科医院の受付で販売されている歯ブラシの商品パンフレットを手がけています」
Q.歯科衛生士向けのフリーペーパーとは?
A.「全国の歯科衛生士の方に取材を行い、当社製品をどう使っているかなどをお聞きします。その人の仕事に対する思いや価値観に焦点を当て、人物像を描き出すことがメインです」
Q.じゃあなぜこの会社に入ったのですか?
A.「33歳でコピーライターを目指そうと思った時、未経験者を採用している会社がほとんどなく、ここしか門戸がありませんでした。未経験や経験が浅い人材を育成する方針の会社だと思い、チャンスがあれば入社しようと考えていました」
Q.入社前はどんな仕事をされていたんですか?
A.「基本的にコールセンターで働いていました。金融業や外資系の銀行で、全国のお客様からの問い合わせ対応をする仕事でした。合計で約6年間携わっていました」
Q.コールセンターから一転コピーライターに?なぜ職種を変えようと思ったんですか?
A.「喋る仕事は全く趣味ではなく、むしろ苦手でした。何か自分に適した分野を探していた時、昔から文章を書くのが得意だと言われていたことを思い出しました。大学入試の小論文でも成績が良かったことから、文章力に自信もあり、コピーライターの職に可能性を感じたのがきっかけです」
Q.未経験からの入社に不安はありませんでしたか?
A.「不安よりも楽しみのが大きかったですね。クラウドソーシングでは成長に限界を感じていたので、この会社なら伸びていけると期待していました」
Q.実際入社してみてどうでしたか?
A.「厳しさは想像を絶するものがありました。自分が文章得意だと思っていたのに、全て真っ赤に直され、何度も全部書き直しをさせられました。地元の強豪がボロ負けするようなショックでしたが、一方で成長している実感もあり、求めていた環境だと思えました」
Q.仕事でこれまで一番嬉しかったことは?
A.「ある歯科医師の先生を取材した際、書いた原稿が素晴らしいと高く評価していただいたことです。私の”歯科医師に対する思い”が見事に伝わり、感服したと社長に直々に言っていただけました。涙が出るほど嬉しく、あの時のメールは印刷して大切に保管しています」
Q.逆に辛かった経験は?
A.「何度書き直しても一定の水準に満たず、結局先輩に原稿を書き直されてしまったことが2回ほどありました。自分の力不足を痛感し、本当に悔しい思いをしました」
Q.そうした経験から、どう対処するようになりましたか?
A.「先輩の書き直した原稿と自分のものを見比べ、何が足りなかったのかを分析するようにしています。単に文字を起こすのではなく、取材対象者の言葉に込められた心情や価値観を正しく捉えられるよう意識しています」
Q.今後どのようなコピーライターを目指していきますか?
A.「取材対象者の思いを言葉で上手く表現し、素晴らしいと共感してもらえるようなコピーが書けるようになりたいです。作品を通して誰かに気づきを与え、前向きな気持ちにさせられるコピーライターを目指していきます」
この先輩の姿から、年齢や経験にとらわれず、誰でもコピーライターへの夢に挑戦できることがうかがえます。研修制度はありませんが、書く仕事が好きならば、この環境で可能性を開花させることができそうです。
パターン②学ぶことが多く成長できることをアピールする1200字以上の記事案
タイトル:短期間で化ける夢のコピーライター環境 大手町で活躍する先輩に聞く
Q.今入社何年目ですか?
A.「今2年目です」
Q.どんな仕事を担当していますか?
A.「歯科医院向けのパンフレット、歯科衛生士向けのフリーペーパーや歯科医師向けのセミナー案内など、自社の広告を作っています」
Q.入社当初はどんな経験をされましたか?
A. 「入社して間もなく、ショックを受けました。クラウドソーシングで鍛えた文章力は、入社後ももう一度過酷な試練に晒されることになりました。書いた原稿が真っ赤に直され、全部書き直しを何度もさせられました」
Q.そんな過酷な環境でも続けられた理由は?
A.「先輩の書いた素晴らしい原稿を確認することで、自分の課題が見えてきました。過酷な添削でしたが、その中に”成長している手応え”を感じられたからです」
Q.具体的にはどのように成長を実感されましたか?
A.「ある歯科医師の先生に取材した際、書いた原稿を高く評価していただき”歯科医師の思い”が見事に伝わったと喜んでいただけました。単なる文字起こしでなく、相手の言葉に込められた本当の思いを汲み取れるようになってきたことを実感できました」
Q.そうした力をどう身につけていったのでしょうか?
A.「取材対象者の言葉の裏に隠された心情や価値観を正しく捉えられるよう、日々研鑽を重ねています。自分では気づけない部分を先輩に指摘していただき、それを糧に成長を続けています」
Q.過酷な環境を乗り越えられるのはなぜでしょうか?
A. 「周りの後押しがあったからこそです。課題図書の勉強会では、デザイナーの方と共に多角的な視点から学ぶ機会も設けられています。お互いに高め合える環境があるから続けられます」
Q.そうした研鑽の機会は大切だと感じていますか?
A.「はい、大変ですが、書くことが好きな仲間と切磋琢磨できる環境は魅力です。同じ思いを持つ仲間に支えられ、共に学び合えることに感謝しています」
Q.ただ大変な面もあるはずですが?
A. 「残業なども多く、体力的には大変です。しかし、好きな仕事に就けていることが何よりも嬉しく、みんなで高め合える環境があるので乗り越えられます」
Q.今後はどのようなコピーライターを目指していきますか?
A.「ただ単に起こした取材内容をまとめるのではなく、その人が言葉にはできなかった本当の価値観や行動指針を言葉で表現できるようになりたいです。作品を通して読み手に気づきを与え、前向きな気持ちになってもらえるコピーライターを目指します」
波乱万丈のスタートを切ったこの先輩。しかし、今では歯科業界で活躍するコピーライターへと大きく飛躍を遂げました。過酷な環境の中でも、同じ思いを持つ仲間と切磋琢磨できる点に魅力を感じています。
この会社には研修制度こそありませんが、お互いに高め合える環境が用意されています。書くことが好きで、本気で文章で食べていきたい人には、夢の成長フィールドと言えるでしょう。
文字数はクリア。
さらに注文をつけてみます。
ありがとうございます。
もう少し具体的なエピソードを拾って書いてもらえますか
はい、もちろんです。取材の中で語られた具体的なエピソードを盛り込んで、よりリアリティのある記事にしていきます。
なんて素直なのかしら。
修正案をまたしても原文ママでお伝えします。
Claude3の修正版2(エピソードを加える)
パターン①未経験でも大丈夫をメインに伝える1200字以上の記事案(エピソードを追加)
Q.入社前はどんな仕事をされていたんですか?
A.「基本的にコールセンターで働いていました。金融業で5年間、その後ITベンダーのヘルプデスクや外資系銀行を経て、合計6年間コールセンター業務に携わっていました」
Q.コールセンターから一転コピーライターに?なぜ職種を変えようと思ったんですか?
A.「喋る仕事が好きだったわけでは全くなく、むしろ苦手でした。新卒で入社した会社でも営業職に配属されましたが、全く適性がなかったんです。辞めたいと伝えたら、コールセンターに回されてずるずるとそのままになってしまったんですが、心の底から嫌いでした」
A.「ある時、無職になってしまい将来を真剣に考え直した際、昔から文章を書くのが得意だと言われていたことを思い出しました。大学入試の小論文で全国トップクラスの成績を収めたりと、文章力には自信がありました」
Q.未経験からの入社に不安はありませんでしたか?
A.「不安よりも楽しみの方が大きかったですね。クラウドソーシングで文章を書く仕事をしていましたが、安価な単発案件ばかりで成長に限界を感じていました。この会社なら文章力を伸ばせると期待していたので、面接を受けた時は正直ホッとしたものです」
Q.実際入社してみてどうでしたか?
A.「想像を絶する厳しさがありました。入社当初、私がこれまで書いてきた原稿は完膚なきまでに真っ赤に直されました。自分が思っていた以上に未熟だったことに気づかされ、地元の強豪チームが全国大会で大敗するような憂き目に遭いました」
A.「しかし、そうした過酷な添削を受けながらも、日々の原稿と先輩の書いた素晴らしい原稿を見比べることで、自分の課題が見えてきたんです。成長している手応えも感じられたので、こうした環境こそが求めていたものだと実感しました」
Q.仕事で嬉しかったエピソードは?
A.「ある歯科医師の先生を取材した際、書いた原稿を高く評価していただいたことです。『今まで私の歯科医師に対する思いをここまで見事に書いてくれた記事は初めてです。感服しました』と直々に言っていただき、涙が出るほど嬉しかったですね」
A. 「そのメールを大切に印刷しているんですが、辛くなった時はそれを見返すようにしています。モチベーションの源になっています」
Q.逆に辛かったエピソードは?
A.「書き直しても水準に達せず、結局先輩に書き直していただいたことが2回ほどありました。1つはメルマガ広告で、もう1つが歯科医師の取材記事での失敗です」
A. 「先輩の力作に書き換えられた時、自分の力不足を痛感しました。本当に悔しくて、そこで頑張らなければと気を引き締めた記憶があります」
パターン②学ぶことが多く成長できることをアピールする1200字以上の記事案(エピソード追加
Q.入社当初はどんな経験をされましたか?
A.「入社して間もなく、ショックを受けました。クラウドソーシングで書いていた文章はある程度評価されていたのに、入社後は書いた原稿が完膚なきまでに真っ赤に直されたんです。自分が思っていた以上に未熟だったことが分かり、地元の強豪チームが全国大会で大敗するようなショックを受けました」
Q.そんな過酷な環境でも続けられた理由は?
A.「先輩の書いた素晴らしい原稿を読むと、自分の課題が見えてきたんです。過酷な添削でしたが、その中に”成長している手応え”を感じられたからこそ続けられました」
Q.具体的にはどう成長を実感されましたか?
A. 「ある歯科医師の先生を取材した際、書いた原稿を大変喜んでいただきました。『今まで私の歯科医師に対する思いをここまで見事に書いてくれた記事は初めてです。感服しました』と直々に言われ、涙が出るほど嬉しかったですね」
A.「単なる文字起こしではなく、その先生の言葉に込められた本当の思いを言葉で表現できるようになってきたことを実感しました」
Q.そうした力をどう身につけていったのでしょうか?
A.「取材対象者の言葉の裏に隠された心情や価値観を捉えることが課題でした。書いた原稿を先輩に添削していただく中で、自分ではわからなかった部分を指摘され、それを糧に意識を変えていきました」
Q.過酷な環境を乗り越えられるのはなぜでしょうか?
A.「周りの後押しがあったからこそです。勉強会では、デザイナーの方と多角的に意見を交わせるなど、お互いに高め合える機会があります。同じ思いでがんばる仲間に支えられ、乗り越えられたのだと思います」
Q.勉強会での具体的なエピソードは?
A. 「課題図書を決めて、1人ずつプレゼンをするんですが、取り上げる本はマーケティングやデザインなど、自分一人では読まない本がよくあります。デザイナーの方の新しい視点を聞けるのがいい刺激になり、自分の視野が広がります」
Q.ただ大変な面もあるはずですが?
A.「確かに残業は過酷で、体力的には相当きついですね。でも、同じ気持ちのみんながいるから、やりがいを持って続けられます」
A.「実際、ある時はメルマガの原稿を何度書き直しても満足行く出来に至らず、結局先輩に書き直してもらったことがありました。会社を憤alma mater講演として呼ばれ、研修に遅れを取ってしまいました。
最後の最後で「会社を憤alma mater講演として呼ばれ、研修に遅れを取ってしまいました。」と意味不明なことを書いたり、エピソードを加えると文字数が1200字に満たなかったり、勤務地について一言も触れていないのに大手町と決めつけたり、タイトルを付け忘れたりと多少の問題はありますが、文章のプロでない人が書く際のツールとしては優秀なのではないでしょうか。
情報収集力がさらに重要に
AIはまだ、インタビューできるまでには進化していません。
そうなると、インタビュー時の情報収集力がさらにモノを言うようになるはずです。
どんなにプロンプトを工夫しても、インタビューの文字起こしの内容がスカスカだったら良い文章はできません。
一流のシェフでも、鶏肉がなければチキンカレーは作れないのと同じです。
さらに言えば、インタビュー時に「この人になら話せる」と思わせる安心感や人間力もさらに必要となってくれるのではないでしょうか。
AIの進化をつねに注視しつつ、上司や先輩に教えてもらってきた仕事の神髄や本質に則って真摯にひとつひとつの仕事をする。
これが、現段階での私の方針です。