インタビューは、相手と直接話して記事作成に必要な情報を聞き出すこと。
取材は、インタビューも含めた広義の情報収集。
私はこのようにとらえています。
なお、『大辞林』第四版には次のように書かれています。
インタビュー
①会見。面会。
②新聞・雑誌や放送の記者などが取材のために会って話を聞くこと。また、その記事や放送。
取材
記事・制作などの材料となることを、人の話や物事の中から集めること
インタビューとは?
インタビュー(interview)には就職活動などにおける「面接」という意味もあり、あくまで人と人との対話がベースになっている概念です。
「インタビューを受ける」と聞いたら、このような絵が頭に浮かぶと思います。
インタビューは、失敗が許されない一発勝負。
限られた時間の中でインタビュイー(インタビューを受ける人)にお話をうかがい、記事作成に必要な情報を集めていきます。
料理にたとえるなら、食材の買い出しです。
鶏肉を買い忘れたらチキンカレーが絶対につくれないのと同じで、インタビューで大事なことを聞き忘れたら絶対にまともな記事は書けません。
そんなことを防ぐためには準備が何より重要です。
その準備とインタビューとその他情報収集を合わせたものを、私は「取材」と定義しています。
取材とは?
文字通り、「材」料を「取」ること。
記事作成に必要な情報収集は、すべて取材と考えています。
たとえば、ウェブサイトや書籍を読む、動画を視聴する、商品を実際に使うなど。
参考までに、私が過去に行った取材の一例を紹介します。
- まつげエクステサロンのオーナーをインタビューする前に自分のまつ毛をほかのサロンでバサバサにしてもらい、お客様の気持ちを理解する
- 飲食チェーンの代表者のインタビューの前に店舗で食事をして、味とサービスを確かめる
- 「特殊伐採」「スタンプコンクリート」などまったく知らない分野の企業の代表をインタビューする前に、同業者の動画を視聴して業務内容を把握する
- 福祉関連企業の代表者のインタビューの前に、図書館で関連書籍を借りて読む
- アパレル企業の人事担当者のインタビューの後に店舗に足を運び、商品を手に取り接客を受けてみる
事前に取材をすると理解が深まりインタビューでの聞き漏れが防げ、事後に取材をするとインタビューで聞いた内容をより深く理解できるようになります。
つまり良質な記事を書くには、人から話を聞くことと、ライターが自力で情報を集めることの両方が重要なのです。
取材力がライターの質を左右する
ただし、「取材」と「インタビュー」の使い分けは厳密ではありません。
インタビューライターを名乗っている方が準備を怠っているということではないので、そこはご注意ください。
重要なのは文章の上手さだけでなく、取材力の有無を見極めてライターを選ぶことです。
「ぶっつけ本番でインタビューをして、相手が話したことをまとめればいい」という考えでは、よほど天才的なライターでない限り、記事のクオリティに問題が出ます。
インタビューを受けるということは、ご自身の貴重な時間を差し出すということ。
もしライターが業界の基本的なことも把握しておらず初歩的な質問ばかりされたら、うんざりしてしまうはずです。
ライター選びの際にはぜひ、取材スキルも考慮に入れてみてください。