顧客満足向上が、見込み客以外にも必要な理由

見込み客でなくとも、何らかの形でコンタクトをくれた方には丁寧に接しましょう。
ブランドイメージ向上につながるからです。

私は以前、大手消費者金融のコールセンターに勤めていました。
問合せ内容は多岐に渡り、既存顧客からの問い合わせや新規申し込みはもちろん、クレーム、エロいイタズラ電話、警察からの照会と、なんでもござれ。

そんな2003年のある日、ひとりの女性からお電話をいただきました。
既存顧客でも新規申し込み希望でもありませんでしたが、運転免許証を紛失してしまい、金融機関で悪用されないかが心配だとのこと。
今ほど「とにかくググる」は一般的でなく、まだまだ電話の問い合わせが主流の時代でした。

その女性はとても不安そうで、「誰かに悪用されたらどうしよう」「サラ金になんて電話しちゃって大丈夫か私」というオーラが電話越しにも伝わってくるほど。

とにかく安心してもらおうと、警察に紛失届を出すこと、審査の際は顔写真と本人を照合しているから悪用されるリスクは低いこと、信用情報機関に「免許証を落としたので、私名義で申し込みがあっても受け付けないでください」と貸し付け禁止依頼を出せることなどを伝えしました。
(当時の方法です。現在は変わっているかもしれません)

するとその方はほっとした声でこう言いました。
「ご丁寧にありがとうございます。もし将来お金に困ったら、真っ先に御社に相談しますね」

免許証を紛失したことを心配して対策を立てるしっかりした方なので、まずサラ金のお世話になることはないでしょう。
でも会社に良い印象を持ってもらったことは大きなプラスです。
会話の流れでこの出来事を他人に話し、聞いた人が数ある消費者金融からこの会社を選ぶ可能性もゼロではありません。
ちょっとした親切の積み重ねが、ブランド構築に一役買ってくれます。

その場でカネにならない案件でも、親切に心を込めて対応する。
そうすることで「情けは人のためならず」の通り、めぐりめぐって自分にかえってくる可能性は大いにあるのではないでしょうか。

でも、タダで仕事を依頼しようとするなどの悪意に気づいたら、一瞬で突き放すことを忘れずに!